銭亀沢地域の村民の階層などを志苔村について分析をおこない、銭亀沢村と合わせ考えてみたい。
志苔村の昆布取獲高は「昆布場調書上帳」(「昆布場及取獲高調」北海道立文書館蔵 簿書番号一七八四)に記載されている。この取獲高は取夫および雇夫の人数に比例しており一人-八石、二人-一四石、三人-二〇石、四人-二八石、五人-三五石というようにほぼ七の倍数に近い数字になっている(ただし、取夫二人に対して一二石、一五石という数字が四例みられる)。このように取夫・雇夫の人数により取獲高が一律であるというのはいささか疑問を感じるところであるが、地租創定関係文書の中ではしばしば見られることである。この数字を単純に信用するわけにはいかないが、漁業規模や形態を知る上のひとつの参考として使用した。