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 空港の霧日数は一年間に約一五日だが、春から夏の期間に集中して出現している(図2・2・12)。
 この時期に千島方面から南下する親潮の海域では、冷たい海面上に暖気が入り込むと海霧(ガス)が発生し、北東から南東の風によって太平洋側各地の海岸に侵入する。図2・2・13は津軽海峡沿岸の年間霧日数分布である。海峡東口に近いほど霧日数が多い。銭亀沢地域でも東部では、六、七月を中心に年間二〇日前後、霧の日があると推測される。
 美原では冬にも霧が発生している。これは夜間の気温低下により発生する放射霧で、一般的に冷え込みが強く、風の弱い内陸部のほうが起こりやすい。空港では、寒候期の霧はほとんど発生していない。

図2・2・12 霧の発現日数と年間積算日数


図2・2・13 津軽海峡沿岸の年間霧日数分布
函館海洋気象台『津軽海峡の気象・海象と海難防止』1962年より