〈昭和三十四年九月十八日の暴風・高波〉

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 台風第一四号(宮古島台風)が対馬海峡から日本海へ進み、十八日には積丹半島沖へ到達した(図2・2・14)。函館では昼前から南西の風が強まり、一三時から一四時にかけて、最大風速二三・六メートル(最大瞬間風速二九・〇メートル)を観測した。江差ではさらに強く、最大風速三三・九メートル(最大瞬間風速四二・七メートル)の記録的な暴風であった。波浪の状況は、松前から檜山南部沿岸で六ないし七メートルであったが、局地的には八メートル以上の所もあったと推定されている(図2・2・15)。
 檜山沿岸では、死者・行方不明一一名、家屋の全半壊七〇〇戸以上、床上・床下浸水二五〇〇戸以上などの甚大な被害となった。渡島地方の被害は、南西方向から波やうねりが到達する銭亀沢村・戸井村・上磯町などに集中した。銭亀沢村の被害は、家屋全半壊九戸、床上・床下浸水九九戸、海岸の損壊六か所、漁船の流失・破損九隻などであった。

図2・2・14 昭和34年 9月18日09時の天気図(日本気象協会『気象』から以下同じ)


図2・2・15 台風第14号による各地の推定波高(有義波高m)
昭和34年9月18日15時(『津軽海峡の気象・海象と海難防止』より)