コンブ漁の解禁日は七月二十日と定められており、この日をアラキという。アラキが開けてからのコンブ漁はクチアケといい、その日の天候や海の状況をみてクチアケするかどうかを決定した。クチアケは旗の合図でおこなわれるので、この係を旗持ちといった。この制度は現在でも厳密におこなわれている。
クチアケの方法には、漁船を漁場で待機させる、漁船を海に入れて待つ、漁船を浜に上げて待つといった方法があるが、前浜に漁場がある場合は後ろ二者の方法が有利で、クチアケの方法については昔からいろいろと争いがあった。
石崎では朝五時、旗持ちの指示に従って、漁場でホコの長さを調節し、これを海中に下ろして、旗が上がるのを待つ。旗が上がると一斉に取り始めた。
根崎では、アラキは昔は四時半開始で、合図は柱に上げてあった旗を下ろした時点で、岸から一斉にこぎ出し、旗が上がれば漁を終えて一斉に戻った。現在は旗が上がれば出漁。下がれば終了となっている。