町会の構成などから、部落会や隣組の枠組みをそのまま町会に継承し、現在でも基本的には変化していないのは、石崎、古川、高根西部、新湊の各町会である。また、高松町会、高根西部町会、瀬戸川町会、空港団地町会、三協町会、望洋団地町会など、神社の祭りと直接関係しない町会が存在するが、これは、住民の転入などによる新来者の増加や空港拡大のための住民の転居により成立した町会である。また、根崎町会、高根西部町会、新湊町会には、死と同じ発音になる四という番号のついた区や班は存在しないが、これらは漁業に携わってきた人びとの慣習や考え方を踏襲しているものである。
祭りの準備は、町民と町会がおこなうようになった。一般の町民は、世帯ごとに、祭りの経費(二〇〇〇円)とみこしのご祝儀(一〇〇〇円以上)をおさめる。石崎町会では、八区が、目名松、白石、谷地第一、谷地第二のグループと、中村、石崎、崎、崎野のグループの二つに分けられ、各グループが二年ごとに祭りの準備を交互におこなうようになっている。
現在の志海苔町会の場合、役員の選出は選挙ではなく推薦による。その役員構成と役割は、表3・3・7のとおりである。町会の会議は、月に一度、漁村センターで開催される。町会全体の行事としては、六月のレクリエーション大会と八月の志海苔八幡神社のお祭りの開催、実行がある。志海苔町会は、八区に分けられており、区長が一名ずつ選出される。この区長の役割は、町会長との連絡役である(佐々木三男談)。
表3・3・7 志海苔町会の役員構成と役割