衣類・衣服材料の入手方法

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 反物や衣類は呉服屋(古川町の〓本間・石崎町の〓田丸)や古着屋(古川町〓木村)、あるいは月に一度くらい函館からやって来る行商から購入したり、函館へ出た時に買ってくることもあった。戦後は漁業協同組合の婦人部が注文を取り、作業着などを販売元より一括して購入することもあった。
 下駄や草履は古川町の鎌田商店など二、三軒あった雑貨屋や、「ゲター、ゲター」と売り声をあげて、リヤカーで売りにくる者から購入した。草履は自分で作る人もいた。
 また、春などはフキやワラビを採って茹でたものを函館へ売りに行き、帰りに履物を買ってきたりした。祭りや盆・正月近くになると下駄売りが函館からリヤカーや荷車に付けて売りにくるとみんなたかって買った。女の子はガッパ(長円形の台の裏を丸くくりぬいた形の下駄、ポックリ)を買ってもらうのが楽しみであった。ゴザ付きの物を買う人もいた。ゴム靴も持ってきていたが、このリヤカーでの履物売りも昭和三十五、六年頃までであった。