夏の日常食

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 夏の日常食には、ワカメやテン(トコロテン)など海藻類が出された。また、青物として、春に採り、塩蔵しておいた山菜に、新しく畑で採れたホウレンソウ、ササゲ、エンドウ、白菜などが加わるので、春と比べるとかなり食卓が豊富になった。

外での昼食風景・昭和43年頃(俵谷次男提供)

 朝食の基本は春と同様一汁一菜であり、味噌汁にはワカメを入れた。夏場は腐って酸っぱくなるので、漬物はタクアンやキュウリの新漬けをよく食べた。摺り鉢でネギと味噌・砂糖をよく混ぜ合わせた「ネギ味噌」をご飯の上にのせてよく食べた。摺り鉢を洗う前に摺り鉢にご飯を入れて混ぜ、くっついている「ネギ味噌」を無駄なく食べたものである。
 昼食は、新ジャガが採れるまでの短期間はご飯を主食にした。夏場はご飯がすぐアメル(くさる)ので、朝に炊いたご飯をおひつにとり、スダレをかけて風通しをよくしておいた。それでもアメた時は、水をかけてぬめりをとり、網じゃくしで水をあまりきらないようにして茶碗にとって食べた。これを「水まんま」と呼んだ。この食べ方は夏によく合っており、ご飯がアメていなくても水で洗って食べる人もいた。おかずはキュウリ漬けと塩引き鮭で、キュウリ漬けは水まんまによく合った。テンは酢醤油で食べた。
 おやつは、丸く平べったくした白玉団子に砂糖をかけたものである。一人分が小さな丼に一杯くらいであった。夏の昆布とりの「ソウオロシ」のときや、お盆・お祭りの時だけ食べるので、これは子どもたちにとって最高のご馳走であった。
 夕食は、三平汁であるが、暑い日は食べなかった。焼き魚は鮭、イワシ、ホッケなどで、夏には大根がとれるので大根おろしを添えて食べた。また真ガレイの刺身なども食べた。父親は酒の肴としてイワシやサンマ、チカを、酢味噌に青ネギをいれたもので和えて食べていた。