昆布とりをする前の晩には、一年に一回の「ソウオロシ」をして仕事初めのご馳走を食べた。普段食べないような刺身、豆腐の魚汁や鱈の吸い物、白玉(白玉団子を作って水で冷やして砂糖をかける)などである。白玉は茶碗で二杯くらい食べた。仏様や神様に、丼に入れた白玉団子・お神酒(みき)を供えた。翌朝、浜に下りた時に、「おめだのソウオロシ何のごっぞうだった」と聞き合った。最近はちらしずしなども出される。昆布とりの時は朝早いので昼食の前に「コビリ」を摂った。コビリは、一人分おにぎり二個(ごま、梅干し)、焼いた塩鮭一切れとキュウリの漬物がほとんどであった。一つの重箱におにぎり四個を入れ(昆布とりは大抵二人で出漁する)、一升ビンに水を入れ、おかずはアルミ製の弁当箱に入れて沖に持って行ったものである。