妊婦・出産の禁忌食

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 昭和初期の妊婦の禁忌食は、カブ、すじこ、アルコールやコーヒーなどの刺激の強い物や油のこい物、消化の悪い物で、すじこを食べると「ガンベの子」が生まれるといわれていた。また、体の冷える食品(石崎町)や、脂肪の多い食品(志海苔町)を避けている地域もある。
 出産後の禁忌食は、油物、辛い物、すじこや刺激の強い物で、妊婦の禁忌食と似ていた。そのほかに、妊婦と同様に脂肪の多いもの(志海苔町)や、赤カブ漬け、ナスの潰物(石崎町)を出産後の禁忌食とする所もあった。妊婦の薬用食として、栄養の多い鯉や鰻を食べる場合もあった(志海苔町)。食物とのかかわりを表4・2・2にまとめた。