小正月は「女の正月」ともいわれる。女性の休養のできる楽しみな日とされてきた。十四日の夜は「女の年とり」十五日は「女の正月」、現在でも継続されている。
小正月には大正月に準じたご馳走を作る。「けの汁」は欠かさず作る。きんとき豆・ささげ・大根・人参・ごぼう・こんにゃく・焼どうふ・油揚げ・しいたけ・かまぼこなどを入れた実たくさんの汁物である。
小正月には、戦前は少量だが、十三日に餅をついた。大正月の餅は七日に下げ、新しい餅を小正月につき、お供え餅を取り替えた。十六日は「藪入り」で働いている人の休み、また嫁が里帰りする日とされていた。
昭和十五(一九四〇)年頃まで、石崎町内に銭湯が二軒あったが、十六日の日だけは休業した。今でも十六日の日は家で風呂をわかさない風習が残っている。