厄払い

402 ~ 403 / 521ページ
 男性四十二歳、女性三十三歳の大厄とされている人、それに前厄・後厄を加え、前後三年間の人、またその年が厄年とされている人は、節分の日、また春の例大祭の初神楽(かぐら)の日に、神社か寺院で災いを払い落としてもらう。
 個人でお払いをしてもらうが、石崎町・鶴野町・中野町では男性は集団でする。小学校時代に同級であった人たちが、揃って神社で「厄払い」をして、その後会場を別にして「厄落とし」を盛大におこなって、お互いに親睦を深めている。
 石崎町では病送りを「やめおくり」といった。病人がその家に続いて出たときなど、病人のいる家では米俵の上に「サン俵」(米俵の丸く平たいわらのふた)をのせ、その上に赤飯をあげた。「ここの家にいないで、どこか遠くへいってください」といって、サン俵を海べにもっていき、渚に置いて帰ってくる。そのとき絶対に振り向いてはいけないといわれた。大正期にはいってからはおこなわれなくなった。