恵山は溶岩円頂丘(以下、ドームと呼ぶ)および溶岩流、火砕流堆積物からなる台地・地すべり地形・火山麓扇状地などからなるが、ここではとくに溶岩ドームおよび溶岩流と火砕流台地に関する地形記載を示す。
恵山火山起源の溶岩類や火山砕屑性堆積物は、国道278号線が通る古武井川支流から矢尻川にかけての低地帯を境に、東方・海側に分布する。西方は丸山火山噴出物および絵紙山層などで構成される(第1章末「恵山の地質図」参照)。
なお、活断層研究会(1980)は、恵山西部(海向山および椴山の西部)に南北に走る長さ3キロメートルの縦ずれ断層を確認し、海向山断層(活動度B)として報告している。しかし、「火山活動または地滑りによる変位の可能性もある」としているように、指摘の地域は火砕流堆積物と岩屑なだれ堆積物(?)および崖錐堆積物などが複雑に分布しており、開析も進んでいるため、地表での断層の確認はできなかった。