(2) 1年分の海洋速報の内容

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 ここで渡島半島南東付近を記述している箇所を抜粋した1年分を次に紹介してみよう。期間は、1996年(平成8年)10月から1年間とした。これは入手できた気象衛星NOAAの画像と比較するためである。それぞれ海流図、および水温水平分布図(表面)を添付した。また、入手できた気象衛星NOAAの画像を、速報の観測期間と撮影月日をあわせて紹介する。 本項では海洋速報の解説が主であるため、画像との比較については次項に記述する。なお平成9年第11号からは様式が変更になり、それに伴って水温に関する解説が省かれたが、インターネットにおいて海上保安庁海洋情報部のホームページのURL(アドレス):http://www.kaiho.mlit.go.jp/から入手できるようになった。
 
 第19号 観測期間平成8年10月1日〜10月15日(図2−1A・B、画像1996年10月15日)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸20〜40海里をとおり南西に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経143度まで張り出した後、南南西に流れている模様。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べ2〜3℃高くなっている。
水温(200m層) 太平洋側では、1〜11℃台の水温となっており、親潮は三陸沿岸域まで張り出している。

1996年10月15日


図2-1A・B 第19号

 
 第20号 観測期間10月16日〜10月31日(図2−2A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸10〜40海里をとおり南西に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経143度まで張り出した後、南南西に流れている。また、尻屋崎の南東50海里では北西向きの流れがみられる。
水温(表面) 太平洋側では、ほぼ平年並となっている。
水温(100m層) 太平洋側では平年と比べ尻屋崎の東方沖で2〜3℃高く、八戸南東方の5℃台の沿岸部で3〜5℃低くなっている。

図2-2A・B 第20号

 
 第21号 観測期間11月1日〜11月15日(図2−3A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸15〜35海里をとおり南南西に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経143度まで張り出した後、南南西に流れている。
水温(表面) 太平洋側では、ほぼ平年並となっている。
水温(100m層) 太平洋側では、尻屋崎の東南東50海里で2〜3℃高くなっている。
水温(200m層) 太平洋側では2〜11℃台の水温となっている。

図2-3A・B 第21号

 
 第22号 観測期間11月16日〜11月30日(図2−4A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸15〜35海里をとおり南南東に流れている。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経143度まで張り出した後、南南西に流れている模様。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べて1〜2℃低くなっている。
水温(100m層) 特になし。
水温(200m層) 太平洋側では2〜11℃台の水温となっている。

図2-4A・B 第22号

 
 第23号 観測期間12月1日〜12月15日(図2−5A・B、画像1996年12月11日)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸10〜25海里をとおり南に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、水温12〜13℃台の水域が襟裳岬付近まで拡がっている。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べ襟裳岬の西方海域で3〜4℃高くなっている。
水温(100m層) 特になし。

 1996年12月11日


図2-5A・B 第23号

 
 これより平成9年発行分
 
 第1号 観測期間平成8年12月16日〜12月31日(図2−6A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸10〜25海里をとおり南に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経142度付近まで張り出した後、南に流れている。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べ襟裳岬の南90海里付近で2〜4℃低くなっている。

図2-6A・B 第1号

 
 第2号 観測期間平成9年1月1日〜1月15日(図2−7A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸10〜35海里をとおり南に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経142度付近まで張り出した後、南南東に流れている。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べ襟裳岬の南南東90海里付近で平年並み、そのほかの海域で2〜4℃高くなっている。
水温(100m層) 特になし。
水温(200m層) 太平洋側では2〜11℃台の水温となっている。

図2-7A・B 第2号

 
 第3号 観測期間1月16日〜1月31日(図2−8A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸10〜30海里をとおり南に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経142度付近まで張り出した後、南に流れている。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べ襟裳岬の南東90海里付近で4〜5℃高くなっている他はほぼ平年並みとなっている。

図2-8A・B 第3号

 
 第4号 観測期間2月1日〜2月15日(図2−9A・B、画像1997年2月10日)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸10〜30海里をとおり南に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経142度付近まで張り出した後、南に流れている模様。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べ津軽海峡付近及び襟裳岬の南東60海里付近の海域で2〜3℃高くなっている他はほぼ平年並みとなっている。

1997年2月10日


図2-9A・B 第4号

 
 第5号 観測期間2月16日〜2月28日(図2−10A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸20〜45海里をとおり南に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経142度20分付近まで張り出した後、南に流れている模様。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べ津軽海峡付近及び襟裳岬の南東90海里付近の海域で2〜4℃高くなっている他はほぼ平年並みとなっている。

図2-10A・B 第5号

 
 第6号 観測期間3月1日〜3月15日(図2−11A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸15〜35海里をとおり南に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経142度付近まで張り出した後、南に流れている模様。
水温(表面) 太平洋側では平年と比べ津軽海峡付近及び襟裳岬の南東90海里付近で2〜4℃高く、そのほかの海域で1〜3℃低くなっている。

図2-11A・B 第6号

 
 第7号 観測期間3月16日〜3月31日(図2−12A・B)
海流 津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経141度40分付近まで張り出した後、南に流れている模様。
水温(表面) 太平洋側では、平年と比べ八戸の東100海里付近で3〜5℃高くなっている。

図2-12A・B 第7号

 
 第8号 観測期間4月1日〜4月15日(図2−13A・B、画像1997年4月3日)
海流 津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経141度50分付近まで張り出した後、南に流れている模様。親潮第1分枝は、襟裳岬の南20海里を通過し、八戸の東50海里に達している模様。
水温(表面) 太平洋側では、襟裳岬の南東80海里付近の8〜9℃台の暖水塊は、平年と比べて北東方に伸びており、2〜4℃高くなっている。その他の海域ではほぼ平年並みとなっている。

1997年4月3日


図2-13A・B 第8号

 
 第9号 観測期間4月16日〜4月3日(図2−14A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸10〜35海里を通り南南西に流れている模様。津軽暖流は津軽海峡を通過し、東経141度50分付近まで張り出した後、南に流れている模様。
水温(表面) 太平洋側では、襟裳岬の南南東90海里付近の8℃台の海域において2〜3℃高くなっている他はほぼ平年並みとなっている。

図2-14A・B 第9号

 
 第10号 観測期間5月1日〜5月15日(図2−15A・B)
海流 親潮第1分枝は、納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸25〜60海里をとおり西南西に流れている。襟裳岬の南東100海里付近に時計回りの環流が見られる。津軽暖流は、津軽海峡を通過し、東経141度50分付近まで張り出した後、南に流れている模様。
水温(表面) 太平洋側では、北海道南東方に3〜5℃台の水温が分布し、襟裳岬の南東100海里に9℃台、八戸の南東100海里に11℃台の暖水塊が存在する。

図2-15A・B 第10号

 
 第11号 観測期間5月16日〜5月31日(図2−16A・B)〈これより様式が変更になった〉
海流(親潮第1分枝) 納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸15〜35海里を流れている模様。襟裳岬の南東100海里付近に時計回りの環流が見られる。(津軽暖流)津軽海峡を通過し、東経142度10分まで張り出した後、南に流れている模様。
水温(表面) 〈様式変更に伴い、図のみとなった〉

図2-16A・B 第11号

 
 第12号 観測期間6月1日〜6月15日(図2−17A・B、画像97年6月11日)
海流(親潮第1分枝) 納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸20〜40海里を流れている。襟裳岬の南東80海里付近に時計回りの環流が見られる。(津軽暖流)津軽海峡を通過し、東経142度20分まで張り出している。
水温(表面) 図のみ。

1997年6月11日


図2-17A・B 第12号

 
 第13号 観測期間6月16日〜6月30日(図2−18A・B)
海流(親潮第1分枝) 納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸20〜40海里を流れている。(津軽暖流)津軽海峡を通過し、東経142度30分まで張り出している。
水温(表面) 図のみ。

図2-18A・B 第13号

 
 第14号 観測期間7月1日〜7月15日(図2−19A・B)
海流(親潮第1分枝) 納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸15〜30海里を流れている。(津軽暖流)津軽海峡を通過し、東経142度20分まで張り出している。
水温(表面) 図のみ。

図2-19A・B 第14号

 
 第15号 観測期間7月16日〜7月30日(図2−20A・B)
海流(親潮第1分枝) 納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸15〜20海里をとおり南南西に流れている。(津軽暖流)津軽海峡を通過し、東経142度10分まで張り出した後南に流れている。
水温(表面) 図のみ。

図2-20A・B 第15号

 
 第16号 観測期間8月1日〜8月15日(図2−21A・B)
海流(親潮第1分枝) 納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸15〜35海里をとおり南南西に流れている。(津軽暖流)津軽海峡を通過し、東経142度15分まで張り出した後南に流れている。
水温(表面) 図のみ。

図2-21A・B 第16号

 
 第17号 観測期間8月16日〜8月31日(図2−22A・B、画像97年8月30日)
海流(親潮第1分枝) 納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸15〜40海里をとおり南西に流れている。(津軽暖流)津軽海峡を通過し、東経142度20分まで張り出した後南に流れている。

1997年8月30日

水温(表面) 図のみ。

図2-22A・B 第17号

 
 第18号 観測期間9月1日〜9月15日(図2−23A・B)
海流(親潮第1分枝) 納沙布岬から襟裳岬にかけて距岸10〜30海里をとおり南西に流れている。(津軽暖流)津軽海峡を通過し、東経142度20分まで張り出した後南に流れている。
水温(表面) 図のみ。

図2-23A・B 第18号