前述した海洋速報の全文を見てみると、半月にわたって各機関から取り寄せたデータに基づいて作成している。極端な場合は、2週間もの時間的なずれを含まざるを得ないことになるが、船舶による海洋観測の宿命ではある。しかしながら、鉛直方向の観測に至っては船舶を用いた観測システムが今なお最も有効な手段である。
1年分の速報から以下の特徴が示される。
海流 北海道周辺の海流として対馬暖流、津軽暖流、及び親潮の流れを曲線の矢印で表しているが、主要な岬からの距離で表されている。対馬暖流から分岐した津軽暖流については津軽海峡を通過した後の行き先を経度と方向で示している。親潮については襟裳岬の通過後は、方向を示すにとどまっているために、渡島半島付近についてはほとんど言及されていない。
水温 解説文においては水温を平年との差で表示している。水平分布図としてはコンター(等温線)で表している。表面水温の場合は全海域にわたってコンターが描かれているが、水深が50、100、200メートル層の場合は観測点が限られているために必ずしも全海域には存在しない。