[道会議員・衆議院議員の選挙]

485 ~ 486 / 1483ページ
 村会議員の選挙については、その投票率から、村民の関心度の深さが読み取れるし、又、議員活動については、議会日数・出席率や議決した議題数などから一定の評価はできる。以下、道会議員・衆議院議員の選挙について大正期の投票率から、村民の道政・国政に対しての関心度を推し量って見たい。併せて明治末から大正期までの議員名を記す。
 投票率を見ると両選挙とも村会議員投票率を下回る。これは当然と思われる。ただ道会は衆議院より身近な筈であるのに投票率は低い。推察するに、当時東京以北最大の都市である函館は新聞社も数社数え、当時の紙面には中央政界の情報が頻繁には入ってきている。郷土も中央の実業界・鉱山関係者などの出入りから、道政よりもむしろ中央政界への関心が高かったのではないか。なお、回を追うごとに投票率は上がってきてはいる。
 道会について見ると、大正2年6月「北海道会議員選挙法」が改正「議員定数が7名増加になり42名」、同5年3月「議員任期が4年」となり、6期選挙より施行された。定員は7期選挙より52名、8期選挙より55名となった。また、大正11年4月には「北海道参事会」が設置されることになり議会の権限が、ようやく府県会並に強化拡大されたことなども、投票率向上の1つの要因ではなかろうか。

大正期の道会議員選挙(5・6・7期)


大正期の衆議院議員選挙(5・6・7・8期)

 
明治・大正期(1~8期)道会議員名(函館支庁・渡島支庁)

1期M34函2期M37函3期M40函4期M43函
池田  醇小橋栄太郎能戸清五郎能戸清五郎
村山 儀七中村長八郎松代孫兵衛杉立 正義
吉田清太郎田村力三郎吉田 定助
 
5期T2函6期T5函7期T9函8期T13渡
葛西 耕芳中宮 亀吉大田半三郎大田半三郎
上野 盛松池田  醇中宮 亀吉鍵谷萬次郎
池田  醇池田  醇川内 精作

 
明治・大正期(3~9期)衆議院議員名(函館支庁・渡島支庁)

3期M37函4期M41函5期M45函6期T4函
松井 源内横田 虎彦内山 吉太佐藤栄右衛門
 
7期T6函8期T9渡9期T13渡*1期・2期
吉田三郎右衞黒住 成章黒住 成章函館支庁の議席なし

 
衆議院議員・道会議員の選挙権(有権者)
 道会議員・衆議院議員の有権者数が異なるのは、それぞれの選挙法で選挙資格が定められていたからである。
<衆議院議員の選挙権>
・満25歳以上の男子で1年以上その府県・道内に本籍を定め居住し、直接国税10円以上(明治22年の選挙法では15円以上)納めている者(明治23年3月公布の改正法)
<道会議員の選挙権>
・満25歳以上の男子で道内3年以上の住所を有し、3年以来、直接国税3円以上納めるか、3年以上、土地(耕地、宅地、海産干場など)4町歩以上を所有する者(明治34年3月28日法律第2号「北海道会法」)