郷土尻岸内村に2級町村制が施行されたのは明治39年(1906)4月1日のこと、初代村長に太田留吉が就任以来41年間にわたり、17名の歴代村長が村政に努力を続け郷土の発展に尽くしてきたことは紛れもない事実である。だが、これらの村長は、旧憲法下、北海道長官によって任命された官選村長であり、天皇の官吏として国家・政府の政策にもとづく行政の執行者であったことは紛れもない事実である。
市町村の首長が、北海道知事とともに住民の手により選ばれるのは、戦後の昭和22年(1947)4月5日の統一地方選挙で、新憲法の施行に先立って行われたのである。
すなわち、我が国の地方自治・住民の意志による地方行政は本当の意味で、ここ−昭和22年(1947)4月5日の統一地方選挙−が出発点であると言えよう。