まずは、人口と地方交付税の問題である。地方交付税とは国が地方自治体に交付する税(交付金)で、金額はその年の国家予算(税収)にもよるが、基本的には町村の人口を基に算出される。尻岸内の地方交付税の推移を見ると、昭和24年度3,460千円(決算総額に占める割合22.8%)27年度9,479千円(同28.4%)30年度11,255千円(同31.7%)33年度26,925千円(同31.7%)38年度56,071千円(同40.7%)41年度86,283千円(同36%)と金額の伸びは、町予算に大きな割合を占めている。
つぎに、社会生活基盤(インフラ)の整備である。例えば、校舎建築や公営住宅、公立病院などの公共施設の建設計画は、人口の推移を予測しつつ立てられなければならないし、新たな産業の開発・企業の誘致などの施策も人口との関わりを重視しなければない。
ここに前田・三好時代、36年間の郷土の人口表(1946~81年)を記したが、人口は順調な伸びを見せ30年から43年までは1万人台をキープ。以後、人口は減少傾向を見せるが、戸数は逆に増加に転じ1戸当りの平均人数も、45年は5.7人、50年4.9人、55年4.4人と、両親と子供2人の平均的家族構成を保っている状態が続いた。
この時代までの、尻岸内町の町勢は発展過程にあったと見ることができるであろう。
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