採掘した原鉱から泥を洗い落としたり、岩石を取り除いたりする選鉱は手選と水洗で行っていた。これは、原鉱を、6分(1.8センチメートル)角鉄で8分(2.4センチメートル)間隔に仕切った傾斜45度の斜面格子『スクリーン』に掛け、塊と粉を区別し、塊鉱は手選し、粉鉱は『スクリーン』下に設けられた幅1尺7寸(51センチメートル)深さ1尺(30センチメートル)の木製流水樋に落とし、流水で洗浄しながら4分目(1.2センチメートル)と5厘目(1.5ミリメートル)金網を通し分類するという方法で、作業が比較的軽度という事から女性作業員(選鉱婦)も多数採用していた。押野鉱山では学童もこれに従事していた。選鉱所は、左ムサの沢・右ムサの沢・二双(双股)の3ケ所に設置されていた。