恵山町字御崎の恵山(恵山溶岩ドーム・618メートル)頂上直下の麓に祀られた神社で、郷土では最も新しいものである。祭神は『三崎権現大神』と名付けられ、神体は恵山火山の火山岩である。
神社設立の経緯 昭和43年(1968)5月16日の午前11時頃、北海道十勝沖を震源に大地震(M7.9)が発生した。この時の恵山地方の震度は5~4の大きな揺れに、恵山(恵山溶岩ドーム・618メートル)の巨大な火山岩が、数軒の民家が集まっているところめがけて転がり落ちてきた。状況から見れば、押しつぶされる民家が数軒あっても不思議ではなかったが、火山岩がまさに1軒の民家を押し潰そうとした瞬間、寸前でぴたりと止まった。そして、家屋の損傷も、1人の怪我人も出さずに済んだ、ということである。(この地震で、函館市・渡島管内・恵山町も相当の被害を被った)
このことを見聞きした1人の住民が“この大岩には神様が宿っている”といい、それに呼応した人々ともに、火山岩を囲むように祠を建てた。そして、この岩を三崎権現大神と命名し祀り、祠を御崎権現と呼んだのである。現在でも参拝する人は後を絶たない。