中央公民館のほとりを流れるエビシ川の附近は、昔岡部勢と蝦夷の激戦のあった所と推定されている。沢の浅い小さな川であるが、昭和三十年頃まではヤマベやイワナが棲息しており、マスなども盛んにのぼった川である。然し十数年前から、この川の上流でマンガン鉱を堀るようになって以来、鉱害のため魚の棲まない川になってしまった。
昔からエビシ川の橋から何人かの人が橋から落ちて死んだり、怪我(けが)をしたことがあった。自動車時代になってからも、カーブでもないのに橋の附近で何件かの交通事故があった。
事故のある度に、附近の人々は「狐かムジナの仕業(しわざ)だろう」とか「何かのたたりだろう」と言っている。