七、集団操業船「とい」の沿革

966 ~ 968 / 1305ページ
指導船建造の主旨
  本船は昭和四一年度沿革漁業構造改善対策事業により日本海南部地域で初めての指導船として建造され、主として本指導船を中心とした集団操業態制を確立すると共に漁場の深索調査船団の誘導及び漁法の改良指導、漁況の通信業務も行ない、共同操業体制の確立により漁場の広域利用と新規漁業の開発等により生産の増大と協業意欲を高揚し、沿岸漁業経営の安定向上を図る事を目的とし、更に後継者養成対策として青年グループ、漁協青年部、高校生を対象に漁撈技術指導航海術水産機械の取扱実習の外大型漁礁の効果調査等にも役立てることにしており、総合的沿岸漁業の振興に資そうとするものであります。
   昭和四三年五月二二日
               戸 井 町 長   中  釜     実
 
指導船の概要
  主要寸法
    長さ 一二m  幅 二・八m  深さ 〇・九五m
  規模及び装備
    鋼船 八トン
    主機関 三菱ダイヤディーゼルエンジン五〇馬力、魚群探知機、無線機、トランシーバー、救命筏、風向風速計、時雨計、測深儀、水温計、コンパス、消火器、船内時計、回転窓、サイレン、アンカー(六〇㎏)、拡声器、探照灯、救命浮環、ラインホーラー
  乗組員(常傭)
    船長一名、機関士一名、通信士一名
  建造費(附属装備も含む)六八〇〇千円
  船体設計施工者
    函館市浅野町  服部造船鉄工所
  進水までの経過
    昭和三九、一一、二一  戸井村地区沿革漁業構造改善対策協議会にて事業計画承認
    昭和四一、 一、二〇  同右が実施計画を承認
    昭和四一、 三、一五  戸井村議会に於いて議決
    昭和四一、 五、 一  計画概要書並びに設計書を道に提出。
    昭和四一、 六、二五  道より事業計画が承認される。
    昭和四一、 七、二六  指名競争入札執行
    昭和四一、 八、 四  起工式
    昭和四一、一一、 七  完工、進水式が行なわれる。
  指導実績(昭和四二年度)
    一本釣漁業の漁業改良指導、いかなご抄網の夜間操業秩序の確立及び漁場調査、さめ延繩漁業の漁場開発調査、いか釣漁業の機具普及と漁報通報、まぐろ延繩漁業の漁具漁法改良及び漁場延長調査、ぶり曳網漁業の漁具漁法の改良漁況通報、いわし抄網漁業の漁況通報、たら延繩漁業の漁法研究調査、めばる一本釣漁業の新漁場開発と漁具改良普及
    操業日数 二五二日
    操業隻数 三七四隻
  昭和四六年度運航計画
    集団操業指導、漁場開発調査、魚礁漁場利用調査密漁取締パトロール、漁業研修、その他