戦時下の小学校教育

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 昭和十六年三月国民学校令が公布され、昭和十六年四月一日から椴法華尋常高等小学校から「椴法華国民学校」と改称された。この時の改革は単に名称が変更になったのではなく、戦時体制に即応すべく教育内容の大改革が行われたのである。即ち修身・国史・国語・地理は「国民科」、理科と算術は「理数科」、体操・武道は「体練科」、音楽と図画を合わせて「芸能科」と改定され、中でも「国民科」と「体練科」が強兵を育てる基礎として重要視された。
 椴法華国民学校でも一年に何度かは戦意高揚の意を含めて、男子小学生に木銃による軍事教練(整列・行進・発砲のかまえ・手りゅう弾の投げ方・待避方法)や女子小学生の救護訓練が行われるようになった。この他に授業ではないが金属回収運動に対して積極的に活動をしたり、節約運動に対しても積極的に協力するようになった。
 また昭和十六年の国民学校令の出された頃から、精神意欲の高揚のためと云われて、一年に何度かの儀式が厳そかに取り行われるようになった。次にその当時の儀式の名を上げてみることにする。
・四大節 一月一日     四方拝
     二月十一日    紀元節
     四月二十九日   天長節
     十二月三日    明治節
・祭日  一月三日     元始祭
     三月中旬     春季皇霊祭
     四月三日     神武天皇祭
     九月中旬     秋季皇霊祭
     十月十七日    神嘗祭
     十一月二十三日  新嘗祭
・記念日 三月十日     陸軍記念日
     五月二十七日   海軍記念日
     九月二十日    航空記念日

椴法華尋常小学校函館東郷会演奏会 昭和16年6月