道庁開設当初の施政

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 北海道庁開設当初の基本方針については、明治二十年五月全道郡区長に対する北海道庁長官岩村通俊の『施政方針演説書』の中に、道庁開設当初の施政方針が端的に述られべているので、次にその重点について要約して記すことにする。
一 行政の簡易化~函館・根室支庁の廃止、行政官と警察官の兼任
  (郡区長は警察署長を兼ね、郡区役所と警察署を同じ建物に併置、郡区書記と警部補の兼任、戸長役場は警察分署、戸長は分署長を兼任のこと)
二 教育の簡易化
三 官立工場の払下
四 水産税の軽減・出港税の廃止
五 地理の測量・鉱山の開発
六 港湾・燈台・道路の整備
七 諸産業の開発
 これら諸施策は開拓使によってなされて来た事業を北海道庁として精選し、政府によって北海道開発の基礎的条件を作り出し、これを土台として内地資本の導入を図り、なお一層北海道開発の充実をはかろうとするものであった。