昭和二十七年の施策方針(村長 松坂幹太郎)

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 (昭和二十七年三月椴法華村臨時議会会議録を参考とする)
 村長--審議に入る前に私から昭和二十七年度の予算と今後の村の行き方について御説明致します。
 教育は村の発展の基盤をなすものでありますので昨年以来小学校及中学校の充実を図って参りましたが、小学校の戦災復旧がまだ充分でありませんので特別教室二室と中学校に一室を増築する計画で道へ起債の認可を申請中であり併せて教員住宅の増築をも考慮致して居ります。中学校は新発足でありますのでこの整備に重点を置いて予算を組みました。本村は漁業を以て生業とする村でありますので避難港の必要性は切実でありましたが幸いにも皆様の御協力によりまして本年度から着工の運びとなりました今後は充分な予算の獲得をねらって運動したいと思って居ります。
 植林は今後の村財政上欠くべからざる重要事項でありますので二十七年度から十ヵ年計画で百町歩の植林を考へ二十七年度は取り敢えず十町歩分の植林経費を予算に計上致しました。
 今年は元村への護岸工事を充分にやりそれに伴って道路の補修を考えて居ります。避難港の築設工事の着手につれて現在の村道では資材の運搬には無理ですので山の中腹に道路の設置を計画して居ります。
 矢尻川橋は準地方支道費をもって架換へも決定して居ります。他の橋も近いうちに修理するつもりであります。伝染病については特にその筋からの注意もありますので最大の関心を払って居りましたので幸い今迄は何等の発生もありませんでした。今後も特に重点を置くつもりです。
 昨年と今年の地震により南部水源地の湧水量が激減して現在では、飲料水にも事欠く有様ですが丁度水源地の北方五百米の処に湧水量の豊富な水源がありますので、この方に水源地を移す計画で二百万円の起債を申請中で認可の下り次第着手したいと思って居ります。
 私は就任以来健全財政をモットーとし財源の伴はない事業をやらない方針で参りましたので曲りなりにも決算は出来て居ります。今後もこの方針で進む積りで居ります。