船は古くから三人乗りのモジップが使用され、漁法としては、「ゴロタ繩」や「延繩」を使用する釣りと、網を使用するものとの二種があった。「ゴロタ」繩というのは一本の糸に拾本ばかりの釣針を付け一番端に石の錘を付けたものである。これは底が岩場で「根」があり、「延繩」の使用が困難な所で使用されたものと云われている。なおこの時の釣糸は「しなの皮」を撚って作ったものであった。
「延繩」一本百尋一枚、釣糸は七十尺に七十本くらい付け、海底の平坦な所で使用された。
「網漁」鱈漁に使用された網は刺網で箱館の五兵衛という人が、嘉永元年(一八四八)に使用したのが最初であるといわれている。