この他に開拓使が道路建設に取りかかる以前に東本願寺による道路建設がある。すなわち東本願寺は北海道における布教と明治政府に対する政治的な配慮から、移民奨励・新道切開・教化普及の名のもとに北海道の開拓事業に乗り出した。
法王現如上人を中心として、明治三年七月十二日から軍川・砂原の道路工事着工を手はじめに、江差旧街道、山鼻・発足別間、札幌・有珠間などの工事が行われている。これらの工事は専門の労働者が請け負ったものではなく、信仰に燃える僧侶及び信徒の力によりなされたもので、多額の費用と労力が費やされていることを私たちは忘れてはならないと思う。