大正四年七月十二日、室蘭より硫黄を積み出航した永田丸二百三十七屯、乗組員十七名、恵山沖で濃霧のため針路を誤り尻岸内沖に座礁する。
大正四年七月十五日 函館毎日新聞
●永田丸の損傷
前號所載第二十二永田丸が尻岸内沖にて坐礁に關し其後經たる報道に依れば同船は海岸より約三百間沖に船首を南に向け船首より機關室邊り迄を岩礁に突入れ左右兩舷共前部に當り各一ヶ所の穴を生じ浸水中甲板迄及び居れり然して積荷硫黄は保險額及價格不明なれども帝國海上之を保險し居れりと離礁迄には尚相當時間を要すべしと云ふ。