昭和九年九月三日 函館新聞
遭難機船を駆遂艦が救助
すでに危うい處
目下当港に碇泊中の第一艦隊所属駆遂艦沖風が室蘭より函館に向け航行中一日午後一時頃惠山沖合に於て救助を求めている遭難發動機船を発見これを救助した。此発動機船は富山縣氷見郡氷見町小伏脇ムラ所有いか釣機船小船丸(十三噸)で同船は八月三十一日夜半機関に故障を生じ航行不能に陥り同附近を漂流してゐたもので、乗組員十四名は刻々迫る危機に死を覚悟してゐたもので沖風に発見された時は非常に疲労してゐた。入港と同時に沖風より函館水上署へ届出があった。