昭和二七年五月二七日午後一一時すぎ、尾札部村役場出火。当夜、宿直の職員が発見したとき、火炎は階下の事務室の天井をおおっていたという。
春の夜中の静けさを破ってけたたましく半鐘がなり響いた。寝耳に水の村民は燃えあがる炎をめあてにあわててかけつけたが、すでに火は室内に広がり、隣接していた警察部長駐在所宅に延焼。火の粉は忽ち隣家の小黒家の住宅にも飛び移って燃え上がり、三棟が全焼した。
明治一二年一二月開庁以来の、数々の書類のすべてが焼失した。
この日、杉谷梅一村長は古部青年会館の落成祝賀会に職員とともに出席して留守中の出来事であった。