産地の頭字(かしらじ)

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 明治二〇年ごろ、昆布の産地により品質が異なり相場が大きく差があるので、昆布商からの要望も強く、このころ産地の頭文字を昆布に直接丹殼(べにがら)で記入することとしたが、他村で勝手に上浜の文字を書き込んで売買する不法なものがままあった。この悪徳商法を防ぐために産地で各々毛判、通称「ポンポン」を特別につくらせて直接押捺し、検査済証票と併用することにした。
 ポンポンはこのほかに藁工品などに印を付けるのに便利だったので、昆布だけでなくひろく利用され、大正・昭和まで使用した。明治二四年この証票附与を廃した。