北海道漁具図説

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 明治一四年になる日渉園「北海道漁具図説」(函館図書館蔵)は、漁具・漁法の解説書として要額よくまとめられている。ここに示されている数々の漁具の絵図は、文とともに編者の日渉園の自筆の草稿だとおもわれる。この絵図の中で二七丁めに描かれる「鮪立網・尾札部村辺ニテ用ルモノナリ」は、市立函館図書館所蔵の「北海道漁業図絵」や道立図書館所蔵の「北海道漁業図譜」と同一の資料が使われたことを示す。
 画風や筆致は、図絵の秋涛と類似点が多いが、同一人物によるものでないことはよく分かる。