〔大舟上の温泉〕

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 この温泉の起原年月は不詳。天保年間の初め、臼尻の大倉大蔵が森林を伐り、荊棘を拓いて浴場を設ける。のち、臼尻部落の所有となり、明治三四、五年ごろ、函館区深瀬洋春が買い受けたという。
 大正二年の臼尻郷土誌には、臼尻上の温泉通称上の湯と記している。下の湯よりさらに大舟川の上流の左岸にある。
 のち、大正末期に板木の〓工藤家が浴舎を建てて経営した。戦中から戦後にかけて休業久しく、無人となり、旧浴舎は朽ちた。
 昭和五五年、斎藤菊三郎により温泉旅館として再建され営業されている。

大舟上の湯温泉絵葉書 昭和10年ごろ 中本家所蔵


大舟上の湯温泉 「観光の道南」昭和12年版