冷凍設備が未発達の当時、大型の汽船が函館から氷を積んで回航してきて、鮮魚を買積みした。
村の人たちは冷蔵船と呼び、五〇トン~一〇〇トン型の汽船が多く来航した。
戦時中から戦後への冷蔵船は、統制経済時代には漁村へ米や食糧を運ぶ大きな役割を果たした。そして、現金買いの昆布・鯣は地元の仲買い人を通じて密かに積み込まれることが多かった。
昭和二四年、経済の統制が撤廃されて自由経済が復活する頃、陸路の復旧と改良が進み、陸上運輸が発達したこともあって、昭和三〇年代に入るとかつての海運は終幕を迎えた。
冷蔵船