六月二〇日、臼尻村では村会議員・区長・区長代理を招集して、災害善後対策についての緊急協議会を開いた。
まず災害復旧のための調査員を挙げてこれを委嘱した。
臼尻村災害復旧調査員
白井川地区 渡辺源右衛門 田代幸七 佐藤儀助
熊泊磯谷地区 金沢島吉 中村市蔵 田中沢蔵 磯野太三郎
西田繁三郎 山田粂次郎 大塚政太郎
臼尻地区 北越榮吉 津田辨吉 河村周太郎 熊谷喜三吉
二本柳快四郎 二本柳文平
板木地区 宮田孫助 高田金助 工藤石太郎 木村榮次郎
・生活改善の目標設定 噴火がおさまって少しずつ恐怖がうすらいでいっても、山野海浜すべて視界を火山礫でおおい尽くされた村民の心情の不安は、日々の生活をどうしていくかで精いっぱいであった。
調査員らは、各地区でその復旧への相談をすすめるため、熊泊では同二一日部落協議会をひらき、臼尻も同二二日、同様の協議会をひらいた。
この協議会で、復旧に向けて村民の生活を改善し、生活のすべてを節約することなど次のようにとりきめ、区長の名で村内に周知をはかった。
今回駒ヶ岳爆発に因る災害は、実に未曽有の一大惨事にして、此の儘に放任するに於ては、一層部落民の生活難を助長し、実に容易ならざる困窮に陥るを以て、之れが復旧は最も焦眉の急務なりと信ず。依て玆に協議の上、生活の改善、消費の節約を目的とし左記事項の実行を期す。
一、凡て時間を尊重し諸集会の時刻を厳守するは勿論欠席の場合は豫め司会者に届出づる事
二、冠婚葬祭の贈答物 全廃
三、湯治見舞御産見舞 全廃
四、入営兵の送別宴 全廃
五、帰郷兵の土産物 全廃
六、葬儀前後通夜小夜食 全廃
七、押売、物貰其の他寄附は一切拒絶
八、興行物は部内に入れざること、同じく宿を断る事