解題・説明
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寛政11年(1799)6月21日、国後島アトイヤで天候の回復を待つ間に備中の古川古松軒宛に書かれた書簡である。近藤重蔵が蝦夷地を訪れた際に古松軒の著者『東遊雑記』を携えていたことが述べられている。寛政10年4月の江戸出発にはじまり蝦夷地での旅の様子、翌年2月にいったん江戸へ戻り3月に再び蝦夷へ向かい今に至るまでの蝦夷旅程について詳細に記述されている。また蝦夷の前の任地である長崎以来、この5年間で日本国中東西に1700里も移動しているのは自分一人であること、その間江戸在宅はわずか10か月であったことなど、自慢げに古松軒に伝えている。函館市指定有形文化財。
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