解題・説明
|
昭和6年(1931)の磐田郡龍山村全図で、裏面は龍山村勢一班(村政要覧)である。明治34年(1901)11月1日に大嶺、戸倉、瀬尻、下平山の4つの大字が、龍川・山香両村から分離独立して龍山村を創設した。中心部は村役場のある大嶺区の西川(さいかわ)で、多くの官公庁や金融機関、学校等が集中している。大字の大嶺、瀬尻、戸倉、下平山とそれぞれの小字名のほか、8つの製材工場と1つの発電所がある。また、瀬尻御料林とこれに至る御料林軌道が確認できる。天竜川とその支川は青色、主要道路は赤色で着色している。龍山村を南北にはしる二俣水窪線は、大正14年(1925)に県道へ昇格し、静岡県が改良工事を進めた。昭和5年(1930)に横山・西川間、昭和7年(1932)5月に西川・生島間、昭和8年(1933)6月に全区間が開通した。自動車の乗入れが開始されると、天竜川を上下に結んでいた河川交通は衰退した。裏面は、村勢要覧で村の世帯数や人口、財政、産業、教育等の概要が分かる。村のほとんどは山林で、産業は林業中心であるが、製茶製造が223戸、数量7,650貫、額15,065円とお茶の生産も多い。
|