解題・説明
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馬場平古墳は、北区引佐町井伊谷の盆地を含む丘陵上に築かれた、全長47.5mの前方後円墳である。1934年に後円部が掘削され、埋葬施設が露出し、内部から青銅鏡や銅鏃、巴形石製品など多数の副葬品が採集された。1982年に後円部の発掘調査が実施され、粘土槨(ねんどかく)と呼ばれる埋葬施設が確認された。過去の出土品はこの中に納められていたことが明らかになった。埋葬施設は、カヤノキで造られた棺を用い、粘土によって密閉していた(粘土槨)。青銅鏡2面や銅鏃が副葬され、朱が撒かれた。倭王権とのつながりを示す鏡や権力を示す武器などの副葬には共同体の存続と繁栄への願いが込められていた。 参考文献「はままつの渡来文化と埴輪群像」 発行/浜松市市民部文化財課
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