遠州灘沿岸

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 だんだんにひろがってきて現在の浜松は、はなはだひろい面積をもっている。その中には、山あり、台地あり、川あり、湖あり、平地あり、海あり、というように地形はすこぶる複雑である。こういった地形はいつまでも同じところに同じ形をしているものではない。滄海変じて桑田となり、また昨日の淵は今日は瀬となる、といわれているように、たえず変化してやまない。自然は生きているのである。
 そこで、浜松をめぐる地形をつぎのごとく五つにわけ、その生い立ちを述べよう。
 
  (1) 三方原台地の生い立ち
  (2) 遠州灘と沿岸低地
  (3) 天竜川と沖積平地
  (4) 北部山地と都田川流域
  (5) 浜名湖の生い立ち
 
 それらの地形の生い立ちを述べるに先立って、浜松地域の地形の概観と地質の大要を述べておく。浜松市域は遠州灘沿岸までひろがっている。したがって臨海都市ともいえるが、沿岸に長大な砂丘地帯が横たわっていて市街地の発展をさまたげ、臨海的機能をすこしも発揮していない。しかし掛塚湊が浜松の外港となって活躍したこともある。

天竜川の下流(浜松市中野町付近)