【佐浜】これに対して台地の西半部にみられる厚い泥層は、三方原礫層に整合におおわれており、旧象(エレファス・ナマデカス)の歯牙や骨の化石が発見された佐浜(旧伊佐見村佐浜、現浜松市佐浜町)にちなんで佐浜泥層と呼ばれている。【祝田】こういったナウマン象の化石は浜松付近や祝田(ほうだ)などでも見出されている。これによって佐浜泥層の生成年代は洪積世後期であるということがわかった。【伊左地 大人見】また伊左地や大人見付近では多くの貝化石を採集することができる。多産する貝化石をあげると、
ウラカガミ サルボウ イヨスダレ ヤカドツノガイ ウミニナ イボウミニナ
ムシロガイ アラムシロ チヨノハナガイ ウメノハナ マメウラ シマ
などであって、これらの化石種の多くは、現在本州中部地方の太平洋岸に分布する内湾性の種であって、このことからして佐浜泥層が堆積した環境は、外洋に向かって大きく口を開いた内湾の中央部から湾奥にわたっていたであろうと推定される。
祝田発見のナウマン象の化石(細江町史料調査会蔵)
佐浜泥層(浜松市佐浜町)