このような生い立ちをもつ三方原を磐田原と比べて現地形をみると、平均高度は磐田原の方が高く、しかも開析が相当進んで、表面に多くの谷ができ原表面の残りが少なく、早壮年期に近い地貌を呈しているのに対して、三方原では原表面がひろく残り、幼年期の地貌になっている。したがって三方原形成後の地盤運動を考えなければならない。また三方原では東縁に岩石段丘が連なって、この方面の土地の上昇を物語っているのに反して、西縁にはこういった段丘が存在していないばかりでなく、谷の発達がいちじるしいのに、東縁に向かう谷はほとんどなく、三方原の西半は土地が下降したものと思われる。
三方原礫層(浜松市深萩町)
三方原の林と原野(浜松市三方原町)