つぎに沿岸低地の特色と生い立ちについて考えよう。沿岸低地を特色づけているものは、海岸線にほぼ平行している六列の砂堤列と、それらの間にある低湿地である。これらの砂堤列上には大小の砂丘が発達しており、もっとも大きいものは、北から数えて三番目の第三砂堤列であって、国鉄東海道線・国道一号線はいずれもこの上を通っている。【佐鳴湖】またもっとも北にある第一砂堤列は三方原台地南縁の海蝕崖下に断片的に分布し、開析谷の出口をふさいでいる。佐鳴(さなる)湖はこうして生じたものである。砂堤列間低湿地の一部も水をたたえ、蓮池・沼地となっている。
高塚の蓮池(浜名郡可美村)