深度

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 【猪鼻湖】湖水の最深部は北にあって、猪鼻湖の入口に近く、一五・八メートルである。しかし湖内の大部分は、深さ一〇メートル以下の浅いところである。【塩湖】今切口から海水とともに、この湖へ流れ込む砂は、湖の南半にひろがり、湖底に多くの砂堆を生じ、深さ二メートル以下の浅い部分がかなりひろがっている。室町時代も半ば過ぎた明応七年(一四九八)の地震津波で砂州が切れ、以来塩湖となった。【遠江国】それまでは淡水湖で、遠江の国名も、淡水湖の琵琶湖をもつ近江に対して、それよりも遠いところにある浜名湖をもつ国という意味で遠淡海すなわち遠江となったといわれている。淡水湖であった時代には、浜名川によって外海に通じていたものである。今日は塩湖となっているといっても、都田川などの河水がこの湖に注ぎこむため、塩分は場所によって変化し、一リットル中八~三〇グラムとかなりの変化を示している。ちなみに海水一リットル中の塩分は平均三五グラム程度である。
 浜名湖の成因は三方原の生い立ちと緊密な関係をもっており、したがって大体のことは三方原台地の生い立ちのところで述べておいた。その際に記した古浜名湖は現在の浜名湖よりすこし東寄り、三方原西辺の位置にあった。ここでは現浜名湖の生い立ちについて述べよう。