水深と湖底

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 最後に湖底の形態・水深および底質について述べよう。浜名湖の最深部は舘山寺・大崎を結ぶ中央部で、一二メートルの等深線が最も深い。その他、猪鼻湖や松見ケ浦の入口もやや深く、八~九メートルにおよんでいる。深い場所が北東から南西へのびていることは都田川から二川へ向かう構造線上にあたっているためである。湖南は一体に浅く四メートル以浅である。これは天竜川から流れ出した土砂が沿岸流によって運ばれ、湖口から湖内に入りこんで逆デルタをつくっているためである。とくに砂の堆積した所は浅瀬になる。鉄道南側には中央に碇瀬(約六五万平方メートル)という大きな浅瀬があり、また新居側にも八兵衛瀬(約一〇万平方メートル)という浅瀬がある。鉄道北側の本湖には、弁天島前に大瀬と呼ばれる四五〇万平方メートルにおよぶ湖内最大の浅瀬を有しており、また鷲津・村櫛を結ぶ中央にゼゼラ瀬(五〇万平方メートル)がある。
 このようなわけで、村櫛と鷲津を結ぶ線より南部の底質はほとんど砂質であり、それより北は、泥またはきわめて有機質に富んだ軟泥質とから成っている。しかも、砂質の湖南部においても、鉄道以南と以北とでは砂の組成が異なり、以南は粒子の大きい砂質が多く、以北では粒子がしだいにこまかくなっている。また、庄内湖・引佐細江・猪鼻湖・松見ケ浦・舘山寺内浦等の支湖では、大体粒のこまかい粘土質の砂土となっている。