[旧石器文化]

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 無土器文化の石器が包含されている地層は、地質学的には洪積世の堆積物であること、そしてその地層は、現在よりも寒冷な気候に支配されていた氷河期が何度か繰り返される中で堆積したものであること、そしてまた、古生物学や古生人類学の立場からみると、当時の動物群の中に今日では絶滅してしまった動物や日本列島には現棲していない動物が含まれていること、一緒に発見された化石人骨はホモ・サピエンス(現生人類)やネアンデルタール人類(古生人類)の特徴をもつこと、などが明らかにされた。
 日本列島から、マンモス象・ナウマン象・ヒョウ・オオツノジカ・トラなどの化石や、古い人骨の化石が発見されるのは、そうした動物や人類が日本列島で自生したものでない限り、大陸から移動してきたと考えなければならない。とすると、無土器時代には、日本列島は大陸と地つづきで、たえずいろいろな動物や人間の群が往来していたということになるわけである。この年代を世界史の中に拡げてゆくと、それは旧石器時代につながることも、いまではもう常識となりつつある。こうして日本人の歴史は、世界史の流れの中に位置づけられ、浜松市の歴史は日本史の流れを通して、世界史に結ばれることになるのである。