目次
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原始編
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第二章 市史への導入
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第二節 縄文時代
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縄文文化の発展過程
後期後半の状態
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しかしながら、そうした共通性が成立したと思うのも束のま、西日本の縄文土器はこの後期中葉を境にして、急速に無文化の一途をたどり始めたのである。反面、東北日本においては、磨消縄文手法はさらに彫刻的な手法も取り入れて、ますます精緻となった。こうした土器にみられたいちじるしい差違は、前項でも述べたような両地域間の不均等性に根ざすものであろうが、この段階には、単なる不均等性だけでかたづけきれない面が加わってきたことを反映しているように思われる。