この蜆塚遺跡保存会による大規模な発掘を最後として、蜆塚遺跡は永久保存の方策がとられた。まず昭和三十二年(一九五七)十二月二十五日に、静岡県史跡に指定されていたが、昭和三十四年(一九五九)五月十三日には、国の史跡に指定された。貝層の一部は断面を合成樹脂で固化保存し、覆屋の架設がなされた。出土品を陳列し遺跡の管理や整備を進めるための市立郷土博物館分館が、現地に建設された。復原家屋が作られ周囲の環境保全をはかるために保存用地が拡張された。こうして蜆塚遺跡はしだいに学術公園として活用される方向に向かっているのである。