目次
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原始編
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第三章 蜆塚遺跡とその時代
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第三節 自然環境
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蜆塚遺跡の自然環境
佐鳴湖の存在
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蜆塚遺跡は、そうした佐鳴湖の存在を大いに考慮したうえで、選地されたものであろう。蜆塚遺跡から西へ谷を下ると、七〇〇メートルで現在の佐鳴湖に達する。これが海面のもっと高い時期であったら、すぐ北の谷底、蜆塚から二、三〇〇メートルの所に海水がきていたのである。したがって、貝類・魚類はもちろん、水辺棲息の鳥獣類、水を求めてやってくる獣類など、佐鳴湖から受けた恩恵は非常に大きいものがあったと想像されるのである。