[漁撈]

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 漁撈用具として蜆塚遺跡から発見された資料は、骨製の銛(もり)先と土製石製の錘である。【銛先】銛先はシカの骨を磨研して先端を鋭くとがらせたもので、断面が三角形をなすものと、円く仕上げたものとがある。前者は三本一組にして使われたものらしい。後者は銛先というより槍先とすべきかも知れないし、骨鏃との区別もむずかしい(第6図上段)。錘には石製のものと土製のものがある。【石錘】石製のもの(石錘)にはさらに、小石の長軸両端を打ち欠いたもの(同図下段左)と、長径にそって溝を刻んだもの(同図下段右下)との二種類がある。後者は一般に小形で作りがていねいであるが、前者は粗雑な作りが多く大小の変化に富んでいる。【土錘】土製のもの(土錘)にも二種類ある。そのほとんどは、土器の破片に加工して長方形や楕円形とし、その両端に切り込みをつけたもので、いわば廃物利用である(同図下段右上)。これに対してただ一例だけ円筒状のものがある。