目次
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原始編
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第三章 蜆塚遺跡とその時代
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第四節 生産活動と食生活
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漁撈
錘の利用法
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石錘と土錘は、普通には漁網の沈子(ちんし)と考えられている。それが確かだったとすれば、浮子(うき)もあったはずである。蜆塚遺跡からは軽石が少量出土しているので浮子を作る材料であったとすることもできるが、浮子は、大体木か竹のような今日に残らないような材料で作られたものと思われる。それにしても、土器片利用の錘が実際に漁網の沈子として使われたとすると、よほどの泥底のあった場所に限られたことであろう。