[生産活動の変遷]

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 蜆塚遺跡における生産活動と、その結果得られた食糧源の調理法や貯蔵法について、わかる限りのことをまとめると以上のとおりであるが、前後一千年間とも推定される蜆塚遺跡の営まれた期間を通じて、その間に生産活動の変化がなかったはずはない。その変化をみるために次表を作成した。
 この表によって、①資料がなくて生活の内容が不明な第一期と第二期、②狩よりも漁撈に重点が置かれ貝類が大量に捕食された第三期~第五期、③全体的に生活規模が縮少された感のある第六期と第七期、④再び漁撈と貝類捕食の盛んになった第八期、⑤狩も漁撈も行なわれたらしいが、貝類捕食はなぜか行なわれなくなった第九期というように、大きく五段階の変遷があったようである。このような変遷過程が、どのような内容をもっていて、どういうことを意味しているか、それを以下節を追っていろいろな角度から眺めながら考えてゆくこととしよう。

(表)第3表 生産活動の変遷